ED治療薬の効果や作用
バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬は、男性が服用することによって、いずれも体の血管を拡張させ、全身の血液の巡りを良くし、特に海綿体の血管を拡げることによって勃起を補助する薬剤です。
脳の性欲中枢に働きかける催淫剤や、性欲増進剤ではありません。ですから、バイアグラ、レビトラ、シアリスは、タバコのニコチンやお酒のアルコールの様に、依存性、中毒性、耐性、妊娠への心配は全くなく、ニトログリセリンとの併用を除いては極めて安全な薬剤です。
ED治療薬の元祖、バイアグラは従来ニトログリセリンに取って代わる狭心症、心筋梗塞の予防薬を開発中にたまたま勃起という副作用がある血管拡張剤ができたことから生まれた薬剤です。 これは、よくある質問ですが、女性にどう作用するのか?ということですが、男性のみならず、女性が服用した場合でも、顔や体の火照り、つまり、全身の血液の巡りが良くなります。
女性には、海綿体が無いので、勃起という効果はありえません。しかし、女性がバイアグラ、レビトラ、シアリス、を服用した場合、血液循環が良くなるので、女性器(膣、クリトリス等)の神経が過敏になり、感度が上がる可能性はあります。ただし、この作用はあくまで、医学的、心理学的証明の裏付けがないので、推測の域を出ていません。
もちろん、男性同様、ニトログリセリンを服用中の女性が万一、バイアグラ、レビトラ、シアリスを服用すれば、血圧の急激低下による、重篤な副作用はまぬがれません。
現在バイアグラに限ってですが、原発性肺高血圧症という、現代医学では根治治療は心肺同時移植手術だけ、という難病の延命効果に実際に医療現場で自費診療にて使用されています。原発性肺高血圧症とは、原因不明で、肺の血管が硬くなり収縮していまい、最終的には酸素を取り込めなくなってしまう疾患です。
バイアグラ(一般名、クエン酸シルデナフィル)を服用することによって、肺の血管を拡張し、 酸素の取り込みを増加させて、呼吸を少しでも楽にする効果が認められているので、近いうちに、この疾患のみ、延命治療薬として、商品名バイアグラという名称ではなく、別名で保険適応になる予定です。
すでに米国では2005年6月にシルデナフィル20mg含有の薬品が「レバティオ」という薬品名にてFDAで認可がおりていて、日本でも2008年1月25日(金)、肺動脈性肺高血圧症治療薬として「レバチオ®錠20mg」(一般名:シルデナフィルクエン酸塩)という薬品名で製造販売承認を取得しました。
詳細はこちら → 「ファイザー製薬公式サイト」
他の薬剤、レビトラ(一般名、塩酸バルデナフィル水和物)、シアリス(一般名、タダラフィル)では、まだ、この効果は研究中で臨床的にまだ証明されていません。 つまり、健康な人にバイアグラが作用している間は、肺から体への酸素取り込み量が増大するわけですから、性行為中では、いつもより息切れしないで頑張れるどころか、マラソンなどでは、ドーピングの禁止薬物に指定されていなければ、自己ベストタイムを狙える可能性がありますし、登山などでも、酸素量の少ない高地で酸素取り込み効果を期待できると思われます。
さらに、2007年5月22日の英国のBBCニュースでは、アルゼンチンのQuilmes国立大学の、Diego Golumbek氏の論文では、極少量のバイアグラ(一般名、クエン酸シルデナフィル)と、光の調節により、 ハムスターの実験ながら、東方向への、航空機の飛行による時差ぼけを50%早く回復させた、という記事がでています。体内時計をリセットさせる作用がある様です。
なお、ファイザー本社では、今のところ効果効能は、勃起不全のみとなっているので、以上の様な使用方法には、用法用量など会社からは回答は頂けません。
よくバイアグラ、レビトラ、シアリスのジェネリック(後発品)は無いの?と聞かれますが、現在では世界中どこの国でもまだ特許が残っているのでジェネリックはありません。よってジェネリックと謳っている薬剤をよく目にしますが、それは全てコピー品もしくは模造品やただの偽物のいずれかに分類されるのです。
なお、バイアグラ、レビトラ、シアリス、いずれのED治療薬も食事の影響を全く受けないという薬剤は存在しません。 アルコールと同じく空腹時が一番よく効く訳です。バイアグラ、レビトラ、シアリスの100%の効果を期待するのでしたら食前30分前に服用することが必須条件となります。
2008年1月で国際誕生10年を迎えるアメリカのファイザー社のED治療薬の先駆者バイアグラですが、もちろん2002年10月国際誕生のアメリカのイーライ・リリー社のシアリス、2003年3月国際誕生のドイツはバイエル薬品のレビトラと、 いずれも、洋の東西を問わず、世の男性が、おそらく何千年もの間、こんなすばらしい薬を待ち続けていたであろうことは、想像に難くありません。
最後にバイアグラ、レビトラ、シアリスの開発に携わられた各メーカーの研究者ならびに開発者の方々に最大の敬意を表します。
平成19年11月 文責 竹越 昭彦