風疹 2013.4.18
こんにちは。
浜松町第一クリニック大宮院 院長の仲川です。
テレビのニュースなどでご覧になっている方も多いかと思いますが、全国的に風疹が大流行しています。
予防接種を受けていたり、小児の頃に罹患している方が再度かかる事は極めて稀だとは思いますが、 予防接種を受けていない世代がちょうど社会人として様々な場所を行き来し働いていることも相まって流行に拍車をかけているのではないでしょうか。
簡単に風疹についてまとめさせて頂きます。
トガウィルス科のRNAウィルスである風疹ウィルスの飛沫感染により生ずる。
別名三日ばしか。
発疹が発熱と同時に出現し、2〜3日で消退。発熱期間も2〜3日ほど。
リンパ節の腫脹も含め、発疹・発熱・リンパ節腫脹が三徴と言われている。
血小板減少性紫斑病、出血傾向、髄膜炎、関節炎、脳炎などを合併症として引き起こす可能性があるものの、脳炎を除けば予後良好とされている。
簡単ですが、風疹の症状としてはこんな所です。脳炎はかなり危険な状態になり得ますが、そうでなければそこまで重篤化することもないのだと思います。
ですが、現在もっとも危惧されているのが妊婦さん罹患時の胎児への影響です。
病態としては、『先天性風疹症候群』と言われています。
妊娠第16週までの風疹初感染により、経胎盤感染を引き起こし、胎児に以下のような奇形を合併します。
◆白内障◆難聴◆先天性心疾患◆小頭症◆精神薄弱
◆血小板減少症◆溶血性貧血◆低出生体重児◆骨幹端の骨変化◆小眼球症
上記が必ず全て起きる訳ではありません。
専門用語が並んでいて分かりにくいかもしれませんが、出生後の風疹罹患と比較すると極めて重篤で危険な症状が起こりうるのがお伝え出来ればと思います。
そして、さらに注意すべき事として、妊婦の風疹が不顕性であっても発生しうること。
簡単に言えば、気がつかないうちに風疹にかかっていて、妊婦自身に症状が出なかったとしても胎児に影響が出てしまう可能性があるということです。
また、これもニュースなどでご覧になった人もいるでしょうが妊娠初期に風疹ワクチンを妊婦が接種すると胎児が感染することがあるので出来ません。
母体の感染時期による先天奇形の発生頻度は、1ヶ月で50%、2ヶ月で30%、3ヶ月で20%、4ヶ月で5%、とされています。
妊娠1ヶ月などですと、妊婦さん自身妊娠に気がついていない事も少なくありませんし、知らぬ間に…といったケースも多いと思います。
やはり対策としては予防接種の徹底しかないのかな、と思います。
予防接種に対しては、副作用に対する悪印象もあるでしょうし、様々な意見があるのも存じておりますが、ここ最近の大流行および先天性風疹症候群の症状を見て比較する以上は、予防接種を優先すべきだろうと感じています。
ご自身のためだけではなく、ご家族および知人に感染させてしまう可能性がある以上、性別年齢問わずにチェックしても損はないと思います。
全くEDと関係ない話に終始してしまいましたが・・・
ちょこっとだけ。不妊について。
流行性耳下腺炎:おたふくかぜ についてです。
こちらも予防接種がありますが、成人になってからの罹患で精巣炎を引き起こし男性不妊となるケースも少ないですがあるそうです。
精巣は左右2個あり、両方に精巣炎が起きない限り大丈夫だそうですが。
やはり予防接種は重要だと思います。
ちなみに私は、大学生の時、病院実習前に血液検査して予防接種を受けました(*^ー゜)b