シアリスは食事の影響を受けない? 2013.4.13
こんにちは。
浜松町第一クリニック大宮院 院長の仲川です。
先日のブログにて、アバナフィルAvanafil及びステンドラStendraに関して調べてみました。
その中で・・・
STENDRA may be taken with or without food.
という一文のみ切り取って、『ステンドラは食事の影響を受けない』等と不確かな情報を流している一部の方々がいる事を指摘させて頂きました。
今回は、シアリスに関して調べてみましたので紹介させて頂きます。
日本新薬が作成しているシアリスのパンフレットの1ページです。
書いてありますね。
ではその根拠は…
まず、日本語の添付文書みてみましょう。
こちらの3ページ右上から抜粋
4. 食事の影響(外国人での成績)
健康成人18例にタダラフィル20mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmax共に食事摂取による影響は認められなかった26)。
なるほど。26)資料が根拠になる、と。
資料4ページ右側中段の26)を見てみると…
26)社内資料:食事の影響
(メ・ん・)?・・・なんだこれは・・・
という事で調べてみました。
結論から言えば、下記の論文が根拠になっているそうです。
Tadalafil pharmacokinetics in healthy subjects
最近、英語文献の紹介が続いていますね・・・
なるべく敷居を上げないように気をつけます。
この論文では食事の影響以外にも、様々な状況がシアリスにどの様な影響を与えるかについて研究されています。
ですが今回は、食事に関する部分のみ抜粋させて頂きます。
Results:
Demographics of the 237 subjects (228 caucasians) included in the ISA of pooled single-dose parameters from 13 studies are summarized in Table 1, along with demographics specific for three of these studies and for the multiple-dose study.
Food had negligible effects on bioavailability as assessed by 90% confidence intervals for Cmax and AUC mean ratios.
Subjects:
Subjects were restricted to two cups of xanthine-containing drinks per day. Alcohol was not permitted from 48 h prior to each dose until leaving the end of each treatment period.
Study design:
The definitive assessment of food effects was performed in a two-period crossover study in which 18 subjects received a single 20-mg dose in the morning following an overnight fast, and on a separate occasion within 5 min of consuming a high-fat breakfast as defined by the US Food and Drug Administration [18].
[18]:
Guidance for Industry, Food-Effect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studies. Washington DC: US Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research; 2002.
Food effect
In the definitive food-effect study, 18 subjects received a single 20-mg tadalafil dose in the fasted state, and on a separate occasion following a high-fat, high-calorie breakfast. Absence of a food effect was declared since the 90% CI for the ratio (fed/fasted) of LS means
lay within the prespecified equivalence limits for AUC and Cmax(Table 2). There was no significant difference between tmax values.
・・・とまあ大体、抜粋すべき部分はこんな具合でしょうか。
簡単に日本語にまとめてみると
237人を対象として行われた研究
食事の影響に関する研究は18人(男性4人女性14人)に対して。
治験開始の48時間以上前から治験終了までアルコール摂取は制限されていた。
一晩絶食した人の群と、高脂肪/高カロリーの朝食後5分以内の人の群、この2群に対してシアリス20mgを内服してもらい、タダラフィル血漿中濃度の比較を行った。
ちなみに高脂肪食の定義は、FDAにて総カロリーの50%以上を脂質が占める食事、高カロリー食は大よそ800〜1000kcalとされています。
↓
結果
信頼区間90%において、絶食時及び食後内服時のシアリスの薬物血中濃度−時間曲線下面積(AUC)
および最高血中濃度(Cmax)には有意差は認められなかった。
といった具合になります。
日本語にしても難しい内容ですね。
統計的な手法なのですが、信頼区間について説明を。
一件すると、90%の確率でシアリスは食事の影響を受けない、かのように見受けられるのですが、これは間違いです。正しくは、『シアリスは食事の影響を受けないといえば、10回に9回くらいは当たっているだろう』ということになります。
みなさまの受ける印象としては大差ないかもしれませんが。
信頼区間90%は論文としてはそんなに高いと言えませんし、237人に対する治験において食事の影響の評価に18人のみだったのか・・・などなど・・・疑問に感じる部分も・・・
ただ、ここで最も重要なのは、「高脂肪食・高カロリー食」後の内服この部分の評価だと思います。
記載のとおり、800kcal〜1000kcal程度の食事であるし、アルコール摂取もない状況での話になります。
ちなみに、800kcalの食事としては「牛丼並1杯」程度とされています。
これをどう考えるかですが、多くの方が期待している程、何食べた後でもシアリスは効果が100%出る訳ではないということです。
たらふく食べて、アルコールも摂取した後、における内服においても効果を担保できるものではない、と言えると思います。
この部分をしっかり理解した上で、みなさまには適切な使用方法をお願いしたいと思っています。