後発品「20年度末に80%」の新目標設定へ2015.6.26
こんにちは。大宮院の仲川です。
先日行われた政府の経済財政諮問会議において、塩崎厚労相は後発医薬品の目標「2017年度末60%以上」を1年前倒して「16年度末」とする方針を示した。
さらにロードマップの見直しを視野に「20年度末までに80%以上」の次期目標を新たに定める。
製薬協の多田会長は
「研究開発型製薬企業は、長期収載品から得る収益も新薬などの開発に回している。これがなくなるとイノベーションサイクル(新薬開発への再投資)に支障を来たしかねない」
「後発品の促進策を止めろと言っている訳では無い。長期収載品から後発品に切り替わるスピードの問題だ」
と強調した。
また、日本ジェネリック製薬協会の吉田会長は
「趣旨は非常にありがたいが、時間の猶予を少し考慮してほしい」
と要望した。
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各々の立場を象徴した意見だと思います。
財政支出を少しでも切り詰めたい国の意向、先発品による利益を確保したい各製薬会社。
そして少し意外なのがジェネリック製薬会社です。
これまで以上にジェネリック薬の比率を上げていくということは、ジェネリック製薬会社にとっては大きなチャンスではありますが、これまで以上の製造能力が求められる事になります。
となってくると、より資金にゆとりが大きな会社が有利であり、その場合には巨大な外資系製薬会社がより幅を効かせる事が予想されるため、国内ジェネリックメーカーとしては「急激な変化を望まない」という結論になるのではないでしょうか。
ボーダレス化が叫ばれて久しい中、先駆け的な存在であるEUでは様々な問題が噴出しています。
理想論にとらわれず現実的な落とし所がうまく見つかると良いのですが。
まあそれが政治家の方たちの仕事でもありますね。