沖縄クライシス2015.6.20
こんにちは。大宮院の仲川です。
まず、皆様は沖縄クライシスという言葉をご存知でしょうか。
沖縄県男性の平均寿命の全国順位が2000年の調査で26位まで下落したことに関連し話題となった言葉です。
それまでは長寿県だったそうです。
その一因として、早い時期からのライフスタイルの欧米化が指摘されていましたが、北里研究所病院の泉妃咲氏らの検討の結果、脂質の過剰摂取が直接的要因とはなっていない可能性が示されました(第58回日本糖尿病学会)。
[PDF] http://www2.convention.co.jp/jds58/pdf/program/poster2nd.pdf
1975〜2010年の沖縄県男性における平均寿命全国順位と、同期間の国民栄養調査から栄養素摂取量・摂取比率との関連を比較検討しました。
沖縄県男性の平均寿命の全国順位は、75年10位、80,85年1位、90年5位、95年4位と上位だったが、2000年に26位となりその後も下降傾向にあります。
また、沖縄県の脂質摂取比率(総エネルギー比)は1995年をピークに、その後は低下する傾向にあり、同時期より摂取総エネルギーも減少・脂質摂取量も1990年以降は減少しています。
これらの結果より、泉氏は
「沖縄クライシスは、脂質の過剰摂取が要因であるとは言いがたく、摂取エネルギーも減少していることから問題になっている肥満の原因は運動量低下など他の要因を考える必要がある」
と指摘しており、また共同研究者で同病院糖尿病センターの山田氏は
「沖縄県男性の死因で全国平均より高いのは、中高年の自殺と肝疾患で、心疾患は平均的なレベル。動脈硬化疾患の増加より、社会経済的な要因の関与が大きいのではないか」
と話している。
沖縄クライシスで調べると、脂質摂取に関連して様々な団体がキャンペーンしているのが分かります。
それ自体が間違っていたとは言えないと思いますが、論点がずれていた可能性がありそうですね。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201505/542224.html