マスターベーターTENGA®による膀胱異物の1例2015.5.5
こんにちは。大宮院の仲川です。
少し興味深い症例報告を目にしたので紹介させて頂きます。
●マスターベーターTENGA(R) による膀胱異物の1例
甲斐文丈, 海野智之, 須床洋 富士宮市立病院泌尿器科
泌尿器外科 27(12): 1953 -1955 2014
私は本文を通し読みしたのですが、抄録および本文について公開となっている訳ではなさそう、ですので内容に触れる程度に。
この症例報告は膀胱異物の症例です。
過去1世紀で約1500例の報告があり、男性に多く若年者から中高年者まで広く分布しています。
医原性・外傷に起因するものを除き、多くは経尿道的に侵入し、その約80%は自慰・性戯などの性的行為に起因します。
挿入された異物の種類や形状、素材は多様で、体温計や鉛筆、針やヘアピン、ゴム製品、ビニール製品などが報告されています。
治療は、大きな結石の付着や、把持困難な異物、鋭利な異物による膀胱穿孔の合併が無ければ、通常は経尿道的摘出が第一選択となります。
さて、こちらの症例報告。
題名にも入っている「マスターベーダーTENGA®」ですが、ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか。
私と近い年齢であれば聞いたことがあるかと思いますが、年配者になるとどうなのでしょうか…
TENGA(テンガ)公式サイト
TENGA公式サイトをご覧になれば分かるかと思いますが、マスターベーション・自慰行為のための道具/ツールのことです。
これを使用することで「素晴らしい快楽」が得られる、と記載されています。
医療業界としては、膣内射精障害の治療法としても扱っている報告もございます。
その構造としては、まず外見。
こんな具合。
そして断面図ですが
と、こんな具合です。
大きさとしては350mLペットボトル程度でしょうか。
底の部分に挿入口があり、そこから使用します。
ここで疑問に感じるのが「どうやって尿道を通過したのか?」です。
内部構造は柔らかい素材で構成されていますが、外側はプラスチック製でとても入ると考えられません。
この難題を解決したのが「発想の逆転」です。
中身を取り外し、裏返し、尿道内に挿入したのだそうです。
世の中広いなと感じました。