LOH症候群 定義 2014.12.13
こんにちは。大宮院の仲川です。
数年前、一時テレビ等で話題になったLOH症候群についてお話できればと思います。
ここ最近は、あまりその声を聞かなくなった気がします。
一般的に浸透したのか、一時的な流行が過ぎたのか、どちらでしょうか。
歴史的に振り返ってみます。
加齢によるandrogen (男性ホルモン)の低下に伴う症状を呈する状態」を示す言葉として
androgen decline in the aging male (ADAM)
もしくは
partial androgen deficiency of the aging male (PADAM)
といった表現が汎用されるようになりました。
そして日本においてもPADAMという概念が定着してきました。
しかしながら一方、病院を受診する男性更年期障害の症状を有する患者の病態は多岐に及んでいます。
すなわち、前期更年期の患者はストレス性心身症症状の割合が多く、後期更年期から熟年期では主としてandrogen減退症状が前面に出てくる場合が多いとされています。
このように男性更年期障害は病態が複雑で、一様に加齢によるandrogenの低下のみで説明できないことが多いのも現状です。
ところが、PADAMと男性更年期障害がまるで同義語のように扱われ、混乱を生じた事もあり、性腺機能低下症の原点に立ち戻り『LOH』という表現が推奨される様になりました。
LOHとはlate onset hypogonadism syndrome、そして
"a clinical and biochemical syndrome associated with advancing age and characterized by typical symptoms and a deficiency in serum testosterone levels. It may result in significant detriment in the quality of life and adversely affect the function of multiple organ systems"
と定義されています。
キーワードはアンドロゲン低下、加齢、QOL 低下、多臓器機能障害、です。
●LOH症候群の症状および徴候
1)リビドー(性欲)と勃起能の質と頻度,とりわけ夜間睡眠時勃起の減退
2)知的活動,認知力,見当識の低下および疲労感,抑うつ,短気などに伴う気分変調
3)睡眠障害
4)筋容量と筋力低下による除脂肪体重の減少
5)内臓脂肪の増加
6)体毛と皮膚の変化
7)骨減少症と骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折のリスク増加
…今回はPDE阻害薬に関する話はゼロでしたね。
また、当院においてLOH症候群の診断や治療を行っている訳ではありませんので、その点はご了承を。
バイアグラ及びそのジェネリック、レビトラ、シアリス、プロペシアの処方はお任せ下さい。